Tomoya Matsuzaki

松﨑友哉は1977年福岡県生まれ。現在ロンドンと東京を拠点に活動。水性アクリル樹脂を用いた支持体に絵画を制作するペインター。石のような風合いを帯びたいびつな画面を特徴とし、抑制された色彩で描かれる抽象的な図柄は、雨の降り注ぐ海景や霧深い丘を連想させる。ときに穴が穿たれ、並び立つ木の柱に立体的に設置される彼の作品は、単なる平面表現の領域を超え、三次元空間へと広がる。松﨑にとって「風景」は集合的心理や感情の現れであり、環境、およびそれらを取り巻く諸条件についての考察の過程は、彼の絵画的実践の展開における重要な要素となっている。近年は、テムズ川のマッドラーキング、および身の回りで収拾したファウンド・オブジェを画面に組み込む試みを展開。野草採集に加え、それらから抽出した色を用いたワークショップ、食事会の開催など、多彩な活動に従事している。

近年の主な展覧会に、「積層する時間:この世界を描くこと」(金沢21世紀美術館、石川、2025年)、「Artist Rooms 2025」(Encounter、リスボン、ポルトガル、2025年)、「Unbound Material」(Sid Motion Gallery、ロンドン、2023年)、「Petrichor Grey」(Volt、イーストボーン、イギリス、2023年)、「Unmapped Territory」(Yutaka KikutakeGallery、東京、2022年)、「Crossing」(Hagiwara Projects、東京、2019年)、「A creak in the stair」(SIXSECOND、ロンドン、2018年)、「Odd Metre」(White Conduit Projects、ロンドン、2017年)など。2018年には、「ジョン・ムーアズ・ペインティングプライズ(John Moores Painting Prize)」に入選。

 

主な収蔵先に、London University of Arts、Shoreditch House Group。

 

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